ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

テンス・アスペクト

福嶋健伸(2004.2)中世末期日本語の~テイル・~テアルと動詞基本形

福嶋健伸(2004.2)「中世末期日本語の~テイル・~テアルと動詞基本形」『国語と国文学』81(2) 要点 中世末期のテイル・テアルは進行態を十分に表せる環境になく、動詞基本形がそこを補っている その背景として、テイル・テアルにイル・アルの意味が残って…

福嶋健伸(2000.8)中世末期日本語の~テイル・~テアルについて:動作継続を表している場合を中心に

福嶋健伸(2000.8)「中世末期日本語の~テイル・~テアルについて:動作継続を表している場合を中心に」『筑波日本語研究』5 要点 中世末期日本語のテイル・テアルには動作継続を表す例が少ない 前提 中世末期日本語のテイル・テアルについてのこれまでの指…

仁科明(2014.9)「無色性」と「無標性」:万葉集運動動詞の基本形終止、再考

仁科明(2014.9)「「無色性」と「無標性」:万葉集運動動詞の基本形終止、再考」『日本語文法』14-2 要点 基本形(終止形・連体形)終止の消極性は以下の2側面を持ち、基本形の用法はどちらかの側面が前面に出たものと説明できる 形式自体の無色性 体系内で…

福沢将樹(2018.10)事態継続と期間継続:中世抄物を中心に

福沢将樹(2018.10)「事態継続と期間継続:中世抄物を中心に」青木博史・小柳智一・吉田永弘編『日本語文法史研究 4』ひつじ書房 要点 「継続」を「事態継続」と「期間継続」に分けて分析することで、純粋な「動作継続」が中世後期には見られないことを示す…

吉田永弘(2011.11)タメニ構文の変遷:ムの時代から無標の時代へ

吉田永弘(2011.11)「タメニ構文の変遷:ムの時代から無標の時代へ」青木博史編『日本語文法の歴史と変化』くろしお出版 問題 タメニの意味が目的になるか原因になるかは、述語の意味と形式によってある程度決まる 意志性述語の無標形→目的:本を買うために…