ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

分裂文

田島光平(1964.3)連体形承接の「なり」について:竹取物語を中心にして

田島光平(1964.3)「連体形承接の「なり」について:竹取物語を中心にして」『国語学』56. 要点 結論を先に挙げる ① 平安時代初期の連体ナリは、連体形が体言的である場合(いまだ見ぬ(モノ)なり)を除き、根拠をもって相手に説明する場合に用いられる辞…

近藤泰弘(1989.3)中古語の分裂文について

近藤泰弘(1989.3)「中古語の分裂文について」『日本女子大学紀要 文学部』38(近藤2000「中古語の分裂文」を参照). 要点 中古語の分裂文には、主語がモノ・ヒトとして解釈されるが、これが石垣法則に反するという問題がある [たけきものゝふの心をもなぐ…

上野隆久(2005.6)江戸後期から明治期における「~からのコトだ」と「~からだ」:『春色英対暖語』と『三四郎』を資料として

上野隆久(2005.6)「江戸後期から明治期における「~からのコトだ」と「~からだ」:『春色英対暖語』と『三四郎』を資料として」『日本近代語研究4』ひつじ書房 要点 接続助詞カラには、後件で原因・理由を述べ、「からだ」で締めくくる用法があるが、江戸…