ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

受身

金水敏(1991.3)受動文の歴史についての一考察

金水敏(1991.3)「受動文の歴史についての一考察」『国語学』164 要点 非情の受身非固有説を再検討し、以下の点を示す 固有の非情の受身の類型が存すること ニヨッテ受身がその領域を拡張したこと 問題点 非情の受身は固有のものでないというのが通説 論者…

山口響史(2018.9)近世を中心とした受身文の歴史:非当事者の受身の発達とその位置づけ

山口響史(2018.9)「近世を中心とした受身文の歴史:非当事者の受身の発達とその位置づけ」『日本語文法』18-2 要旨 非当事者の受身、受害を表す使役受身が近世後期に発達することを示し、それを、受身が受害構文として確立する一現象として捉える テモラウ…

志波彩子(2018.4)ラル構文によるヴォイス体系:非情の受身の類型が限られていた理由をめぐって

志波彩子(2018.4)「ラル構文によるヴォイス体系:非情の受身の類型が限られていた理由をめぐって」岡﨑友子他編『バリエーションの中の日本語史』くろしお出版 以下の論文とセット(仮説補強) hjl.hatenablog.com 以下の論文ともセット(シンポジウム)*1…

山口響史(2015.10)補助動詞テモラウの機能拡張

山口響史(2015.10)「補助動詞テモラウの機能拡張」『日本語の研究』11-4 doi.org 要点 テモラウのヴォイス体系内での拡張に関して 対立的な2種のテモラウ 恩恵的(受益型):プレゼントを買ってもらう 迷惑的:そんなこと言ってもらっちゃ困る(→受身的) …

志波彩子(2018.3)受身と可能の交渉

志波彩子(2018.3)「受身と可能の交渉」『名古屋大学人文学研究論集』1 要点 「ラレル」文がどのようにして「受身」と「可能」という離れた意味を表すか、その原理について 併せて、志波彩子(2018.4)「ラル構文によるヴォイス体系:非情の受身の類型が限…

岡部嘉幸(2018.4)「非情の受身」のバリエーション:近代以前の和文資料における

岡部嘉幸(2018.4)「「非情の受身」のバリエーション:近代以前の和文資料における」岡﨑友子他編『バリエーションの中の日本語史』くろしお出版 要点 量的に少ないとされる近代以前和文の非情の受身(非情物主語の受動文)が、大きく以下の2つのタイプに分…

青木博史(2018.4) 可能表現における助動詞「る」と可能動詞の競合について

青木博史(2018.4)「可能表現における助動詞「る」と可能動詞の競合について」岡﨑友子他編『バリエーションの中の日本語史』くろしお出版 これの続き hjl.hatenablog.com hjl.hatenablog.com 要点 志波(2018)*1の仮説の検証として、可能の「る」の領域に…