ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

希望・願望

森脇茂秀(2000, 2001)希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって

森脇茂秀(2000.12)「希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって(一)」『別府大学国語国文学』42 森脇茂秀(2001.3)「希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって(二)」『山口国文』24 要点 シカ系・カシは「詠嘆的希望表現」から「主体的希望表現」へと変…

新沢典子(2003.3)古代和歌における呼びかけ表現の変化:希求の終助詞「ね」の表現形式化をめぐって

新沢典子(2003.3)「古代和歌における呼びかけ表現の変化:希求の終助詞「ね」の表現形式化をめぐって」田島毓堂・丹羽一彌(編)『日本語論究7』和泉書院 要点 標記の問題について考える 「歌謡段階で生きていた対詠的表現が歌の場の変化を反映して形式化…

新沢典子(1999.3)万葉集における希望の終助詞「な・ね・なむ」について

新沢典子(1999.3)「万葉集における希望の終助詞「な・ね・なむ」について」『美夫君志』58 要点 ナ・ネ・ナムについての問題、 ナ・ネは実現可能性の髙い希求、ナムは低い希求を表すとされるが、反例は多く、ナ・ネが中古まで残らないことの説明もできない…

新沢典子(2001.12)集団の声としての「いまは漕ぎ出でな」:願望の終助詞「な」に映る古代和歌史

新沢典子(2001.12)「集団の声としての「いまは漕ぎ出でな」:願望の終助詞「な」に映る古代和歌史」『名古屋大学国語国文学』89 要点 願望のナは主語が単数のときに願望を、複数のときに勧誘を表すとされるが、その定義に当てはまらない例がある。このこと…

木部暢子(2020.3)九州方言のゴトアルについて:COJADSのデータより

木部暢子(2020.3)「九州方言のゴトアルについて:COJADSのデータより」『坂口至教授退職記念日本語論集』創想社 要点 九州のゴトアルが様態と希望を表すことに対する2つの従来説 形態的特徴と意味の結びつきが排他的に決まる(ウゴトアル→希望/連体形+ゴ…

三原千世(1983.12)「ことならば」を条件とする文の意味について

三原千世(1983.12)「「ことならば」を条件とする文の意味について」『女子大国文』94 要点 上代では「こと放けば」「こと降らば」のように動詞を伴う条件句が、中古になって「ことならば」になったと考えられる 「ことならば」はすべて1 「現実の事態」を…

山内洋一郎(1970.9)「もが」「がな」と「が」

山内洋一郎(1970.9)「「もが」「がな」と「が」」『月刊文法』2-11 要点 もが類の変遷は もか>もが>もが+な>も+がな / を+がな>がな と理解される 「女常世に母加母」(古事記歌謡97)の例より、古くは清音か なお、俊成『古今問答』にも(濁でない)声…

佐藤宣男(1974.10)平安、院政・鎌倉期における終助詞「なむ」:散文中の例を中心にして

佐藤宣男(1974.10)「平安、院政・鎌倉期における終助詞「なむ」:散文中の例を中心にして」『藤女子大学国文学雑誌』16 要点 終助詞ナムは中世以降に古語化したとされるが、実態について触れられたことはない まず平安期において見ると、 和歌の例が多いが…

村上昭子(1993.7)『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について

村上昭子(1993.7)「『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について」『小松英雄博士退官記念日本語学論集』三省堂 要点 舞台言語の文体の問題として、虎明本のバヤに焦点を当てて考える 「名乗り」とその後の独白による「行動予定の提示」を類型化す…

堀川智也(1998.3)希望喚体の文法

堀川智也(1998.3)「希望喚体の文法」『大阪外国語大学論集』18 要点 山田が挙げる希望喚体の例には、「N+終助詞」という条件を厳密には満たさないものがある 別れの無くもがな/長くもがな/鳥にもがも これが、希望喚体のプロトタイプからのどのような拡…

山本真吾(2010.12)平家物語諸本と中世語:延慶本の言語年代をめぐって

山本真吾(2010.12)「平家物語諸本と中世語:延慶本の言語年代をめぐって」『国文論叢(神戸大学)』43 要点 延慶本平家は鎌倉時代語資料とはされるが、転写は応永まで下るので、当時の言語現象を含む可能性がある このことを踏まえて、延慶本の資料性を、…

森脇茂秀(2015.3)比況表現の一形式

森脇茂秀(2015.3)「比況表現の一形式」『山口国文』38 前提 九州方言のゴト・ゴタルが希望表現に出現する要因を考えるために、 ヤウナリが希望表現を獲得する過程を考える ヤウナリ・ヤウニの意味 中古においてヤウナリが比況になる場合、以下の傾向がある…

青野順也(2007.10)終助詞「な・ね」と希望表現

青野順也(2007.10)「終助詞「な・ね」と希望表現」『国学院雑誌』108(10) 要点 上代の終助詞ナ・ネはナが先行し、意味分化はネの成立によるもの 前提 上代の希望表現ナ・ナム・ニ・ネのうち、ナ・ネについて考える 以下の定義付けに基づけば、ナは願望・勧…

仁科明(2018.11)「ある」ことの希望:万葉集の「もが(も)」と「てしか(も)」

仁科明(2018.11)「「ある」ことの希望:万葉集の「もが(も)」と「てしか(も)」」沖森卓也編『歴史言語学の射程』三省堂 要点 仁科の叙法形式の整理のうち、「非現実事態を表しながら、未然形に接続しない」という問題を持つ形式として、もが(も)、て…