ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

接尾辞

村島祥子(2003.11)上代の〈名詞―ナガラ〉とカラ

村島祥子(2003.11)「上代の〈名詞―ナガラ〉とカラ」『上代文学』91 要点 上代の名詞ナガラには「として」「ままに」「心任せに」と注されるが、もう一歩踏み込んで、「比喩や形容表現の一種と位置づける」表現として捉えなおしたい 我が大君 神ながら 神さ…

岡部嘉幸(2004.11)近世江戸語におけるラシイについて

岡部嘉幸(2004.11)「近世江戸語におけるラシイについて」『近代語研究』12 要点 江戸語のラシイについて、以下の点を考える ラシイの「推定」の内実 助動詞ラシイと接尾辞ラシイの関係 米八は元気らしく(≒そうに)二階へ来る(梅暦)のような接尾辞ラシイ…

島田泰子(1995.3)接尾辞タラシイの成立

島田泰子(1995.3)「接尾辞タラシイの成立」『国語学』180 要点 タラシイは当初非独立的要素を取り、後に独立的要素を取るようになる タラシイの成立にはタラタラの関与が考えられる タラシイの一群と意味 タラシイの語例は以下の通りで、 1-3までは非独立…

村上昭子(1981.3)接尾辞ラシイの成立

村上昭子(1981.3)「接尾辞ラシイの成立」『国語学』124 要点 ラシイの成立には、名詞+情態言ラ+接尾辞シイが想定される 諸説 以下3説があるが、前2説は採れない(下地となった可能性は否定できないが) 推量の助動詞ラシ由来説 時代に断絶があり、抄物に…