ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

狂言台本

佐々木峻(1993.11)大蔵流狂言詞章の文末表現法:「……か知らぬ。」「……ぢゃ知らぬ。」等の言い方について

佐々木峻(1993.11)「大蔵流狂言詞章の文末表現法:「……か知らぬ。」「……ぢゃ知らぬ。」等の言い方について」山内洋一郎・永尾章曹(編)『継承と展開2近代語の成立と展開』和泉書院 要点 虎明本・虎寛本の「か知らぬ」系の形式について見る ひとまず、「ぞ…

大倉浩(1993.7)和泉家古本にみる狂言用語の整理・統一:「おりゃる」と「まらする」

大倉浩(1993.7)「和泉家古本にみる狂言用語の整理・統一:「おりゃる」と「まらする」」『小松英雄博士退官記念日本語学論集』三省堂 要点 オリャルとマラスルの使用状況を通して、天理本(1624-44)と古本六議(1652-1703)のことを考える 古本は、固定化…

村上昭子(1993.7)『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について

村上昭子(1993.7)「『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について」『小松英雄博士退官記念日本語学論集』三省堂 要点 舞台言語の文体の問題として、虎明本のバヤに焦点を当てて考える 「名乗り」とその後の独白による「行動予定の提示」を類型化す…

小林正行(2005.3)狂言台本における副助詞ガナ

小林正行(2005.3)「狂言台本における副助詞ガナ」『日本語研究(都立大)』25 要点 狂言におけるガナについて考えたい 保教本以降に使用数が増加することから、近世中期以降に新たにくわえられた例がある様子 上接語は不定語・名詞・引用句などがあり、 不…

北原保雄・大倉浩(1997)言語資料としての『外五十番』

北原保雄・大倉浩(1997)「言語資料としての『外五十番』」『狂言記外五十番の研究』勉誠社 前提として第2章「所収曲について」 外五十番は複数台本に依拠している 一部は虎明本に近く、古態を示すが、 一部は和泉流三宅家の三百番集本に近い、新しい面も見…

北原保雄・大倉浩(1997)『狂言記外五十番』について

北原保雄・大倉浩(1997)「『狂言記外五十番』について」『狂言記外五十番の研究』勉誠社*1 要点 狂言記他3種と性格の異なる外五十番と、他3種の関係について 狂言記の刊行と性格 以下の順に刊行されている p.540 特筆すべきこととして、 外五十番と続狂言…

北原保雄・吉見孝夫(1987)言語資料としての『狂言記拾遺』

北原保雄・吉見孝夫(1987)「言語資料としての『狂言記拾遺』」『狂言記拾遺の研究』勉誠社 要点 狂言記拾遺(1730刊)の言語的特徴と狂言記内での位置付けについて 注意点と流派的な位置付け まず、狂言記が読み物として刊行されたことに留意すべき 「これ…

北原保雄・小林賢次(1985)言語資料としての『続狂言記』(条件表現の節)

北原保雄・小林賢次(1985)「言語資料としての『続狂言記』」『続狂言記の研究』勉誠社 の、昨日の続き 仮定表現 この頃の順接仮定条件表現の重要な点3つ 1 未然形+ばの衰退 2 ならば・たらばの発達 3 仮定の「已然形+ば」の発達 1 未然形+ばの衰退につ…

北原保雄・小林賢次(1985)言語資料としての『続狂言記』

北原保雄・小林賢次(1985)「言語資料としての『続狂言記』」『続狂言記の研究』勉誠社*1 要点 『続狂言記』(1700刊)の言語的特徴について 四つ仮名・開合 正篇同様乱れているが、ただ乱れているのではなく、一定の表記意識のもとにある 正篇で「ぢや」と…

北原保雄・大倉浩(1983)言語資料としての『狂言記正篇』

北原保雄・大倉浩(1983)「言語資料としての『狂言記正篇』」『狂言記の研究』勉誠社*1 要点 版本『狂言記』(1660刊)の言語的特徴について 四つ仮名・開合 四つ仮名・開合に混乱がある 字[じ]がたりませぬ/ぢがたりませぬ 連濁の場合ですら間違ってお…

松尾弘徳(2000.6)天理図書館蔵『狂言六義』の原因・理由を表す条件句:ホドニとニヨッテを中心に

松尾弘徳(2000.6)「天理図書館蔵『狂言六義』の原因・理由を表す条件句:ホドニとニヨッテを中心に」『語文研究』89 要点 ホドニ・ニヨッテの交替現象が、天理本内部で見られることを指摘し、 従来虎明本→虎寛本の時期での交替現象と見られたものを、むし…

米田達郎(2018.3)日本語史資料としての江戸時代中後期狂言詞章:鷺流狂言詞章保教本を起点として

米田達郎(2018.3)「日本語史資料としての江戸時代中後期狂言詞章:鷺流狂言詞章保教本を起点として」『近代語研究』20 要点 虎明本以降の狂言台本の日本語史資料としての問題(人工的舞台言語)を乗り越えるために、 「当代型・古語型・新古語型」の鷺流狂…

蜂谷清人(1977)狂言古本における仮定条件表現:「ならば」「たらば」とその周辺

蜂谷清人(1977)「狂言古本における仮定条件表現:「ならば」「たらば」とその周辺」『成蹊国文』10、『狂言台本の国語学的研究』笠間書院所収 要点 仮定条件表現の変化のうち、特に次の3つの事柄について、狂言台本を主資料として述べる 連体形ナラバ・未…

小林正行(2006.1)狂言台本における助詞バシ

小林正行(2006.1)「狂言台本における助詞バシ」『日本語の研究』2-4 要点 狂言におけるバシについて、使用実態と用法の変遷を明らかにする 問題 従来の指摘 中世前期には目的格の語に接し、仮定・推量・意志・疑問・禁止と共起 中世後期には目的格以外にも…

小林正行(2014.3)狂言台本における例示の副助詞デモ

小林正行(2014.3)「狂言台本における例示の副助詞デモ」小林賢次・小林千草編『日本語史の新視点と現代日本語』勉誠出版 要点 タイトルまんま 近世狂言台本の例示のデモ(お茶でも)が、逆接仮定条件のデモの、最低条件の「せめて~だけでも」と、全面的肯…

森勇太(2018.5)中世後期における依頼談話の構造:大蔵虎明本狂言における依頼

森勇太(2018.5)「中世後期における依頼談話の構造:大蔵虎明本狂言における依頼」高田博行・小野寺典子・青木博史『歴史語用論の方法』ひつじ書房 要点 虎明本における依頼の談話構造について、配慮表現史の観点から 同論文集所収川瀬論文と相補的 hjl.hat…