ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

進行中の変化

橋本行洋(2001.2)カス型動詞の一展開:ワラカスの成立からワラケルの派生へ

橋本行洋(2001.2)「カス型動詞の一展開:ワラカスの成立からワラケルの派生へ」『語文』75-76 要点 標記の問題について、成立・派生と現代語の語彙体系の位置付けを考える ワラカスについて、 江戸末期江戸語~明治初期東京語から見られ始め、近年ではむし…

小林美沙子(2010.3) 新方言として終助詞化した「し」の命令・禁止・勧誘表現について

小林美沙子(2010.3)「新方言として終助詞化した「し」の命令・禁止・勧誘表現について」『首都圏方言の研究』1-1 要点 接続助詞シに由来する終助詞シに、「しろし」などの命令・禁止・勧誘が見られる 調査 命令・依頼・禁止にはつかないとされているが、つ…

藏本真由(2018.3)「感じがする」の前接要素と形態的特徴

藏本真由(2018.3)「「感じがする」の前接要素と形態的特徴」『国文学』102 前提 「感じがする」の通時変化について、以下の資料を用いて、 近代文学・近代雑誌 現代文学・雑誌・Yahoo・Twitter 以下の観点から考える 様態・引用形式前接の有無 前接品詞 形…

平塚雄亮(2019.3)福岡市方言の準体助詞にみられる言語変化

平塚雄亮(2019.3)「福岡市方言の準体助詞にみられる言語変化」『中京大学文学会論叢』5 前提 福岡市の若年層によって、伝統的なトだけでなく、ノ・ンも用いられるようになっている が、どのような環境でそうなるかは報告されていない どういった環境で非伝…

新野直哉(2012.3)昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識 :副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて

新野直哉(2012.3)「昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識:副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて」『言語文化研究(静岡県立大学短期大学)』11 要点 タイトルまんま、専門誌の論文における言語意識の記述について …

松尾弘徳(2009.6)新方言としてのとりたて詞ゲナの成立:福岡方言における文法変化の一事例

松尾弘徳(2009.6)「新方言としてのとりたて詞ゲナの成立:福岡方言における文法変化の一事例」『語文研究』107 要旨 福岡における若者中心の方言の変化に見られる、助動詞ゲナが「数学げな嫌い」となる、とりたてのゲナの成立について 九州のゲナ 近世期に…

尾谷昌則(2015.12)接続詞「なので」の成立について

尾谷昌則(2015.12)「接続詞「なので」の成立について」加藤重広編『日本語語用論フォーラム 1』ひつじ書房 要点 文頭なのでの成立に関する問題 これまでの指摘や文体的・語用論的特徴をまとめ、 接続詞化のプロセスに関しては「それなので」の「それ」の削…

川口良(2017.9)若者ことばに見る(間)主観化について:「大丈夫」の新用法に関して

川口良(2017.9)「若者ことばに見る(間)主観化について:「大丈夫」の新用法に関して」『文学部紀要(文教大学)』31-1 要点 断りの「大丈夫」の発達を主観化・間主観化と関連付けて考える 大丈夫の新用法 断りの「大丈夫」 (お代わりは)大丈夫です カ…

藏本真由(2018.3)前接要素・形態的特徴からみる「気がする」の意味変化

藏本真由(2018.3)「前接要素・形態的特徴からみる「気がする」の意味変化」『国語語彙史の研究』37 要点 現代にかけて、「気がする」に意味変化が起こっていることの指摘 ただ其当時に立ち戻りたい様な気もした(漱石・思ひ出す事など) この間より、ちょ…

島田泰子(2018.3)副詞〈なんなら〉の新用法:なんなら論文一本書けるくらい違う

島田泰子(2018.3)「副詞〈なんなら〉の新用法:なんなら論文一本書けるくらい違う」『二松學舍大学論集』61 要点 タイトルまんま、現代における「なんなら」の新用法の発達に関して 従来の「なんなら」 日国に立項されるのは、以下の2種 (1)相手の意志・希…