風間力三(1967)ロドリゲス日本文典の引用した平家物語
風間力三(1967)「ロドリゲス日本文典の引用した平家物語」『甲南大学文学会論集』35
前提
- 天草平家の場合は訳文を通して原典を考えなければいけないが、ロドリゲス大文典の引例は直接の資料として扱うことができる
方法
- 天草平家と原拠本が同文であるものについては出典の巻数によって区別する
- 所在が明らかな48例を対照
結果
- 覚一本系に一致するものが多く、
- 葉子・下村・流布本がそれに次ぎ、
- 百二十句・屋代本・平松本・竹柏園本からは離れ、
- 延慶本からは最も遠い
- 天草平家のごとく複数本を原典とする必要はないようにも思うが、欠巻を持つ写本同士の混合本を原典としたと考えるのがよいかも
- 巻1・2からの引例が多いのも、「一方系に近い」と考えられる要因の一つか(清瀬良一説に基づく)
- なお、大文典の引用は省略や誤引などの杜撰なものを含む(それは天草平家からの引用においても同様)
雑記
- 習慣を中断するのは簡単で、再開するのは難しい