山内洋一郎(2007.10)助動詞「そうだ」の表記と機能:中世語研究の視点を中心に
山内洋一郎(2007.10)「助動詞「そうだ」の表記と機能:中世語研究の視点を中心に」『国学院雑誌』108(11)
要点
- ソウダのソウは(「様」ではなく)「相」由来で、連用ソウダが先行する
前提
- ソウダのソウは相とも様とも言われるが、よく分からない
- ソウダの2種に(連用ソウダ・終止連体ソウダ)ついても併せて考えたい
サウの例
- 論語聞書(1420以前)には「相ナ」の例がある
- これ
- 杜詩続翠抄に見える語幹の例がおそらく本来的である
- 山ヲトイヘバ、ニクサウト弥(いよいよ)悪也
- 乞食サウナ者
- 男サウナ(毛詩抄)
- さかのぼって、明恵の光言句義釈聴集記にも、「悪相ナル者」の例があるので、様態を示す「~ソウ」が出発点であると考えられる
ゲナとサウナ
- ゲナは接尾語ゲ+ナ(リ)が室町に助動詞として自立したもので、近世にサウナと交替する
- ゲナも本来は様態を表すが、中世末に伝聞の意を獲得する
- サウナは室町末には連用サウナのみであるが、
- 天理本狂言六義には終止連体ソウナの例が見られる
雑記
- がんばるぞ5