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言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

小林正行(2005.3)狂言台本における副助詞ガナ

小林正行(2005.3)「狂言台本における副助詞ガナ」『日本語研究(都立大)』25

要点

  • 狂言におけるガナについて考えたい
  • 保教本以降に使用数が増加することから、近世中期以降に新たにくわえられた例がある様子
  • 上接語は不定語・名詞・引用句などがあり、
    • 不定語上接は、古い台本で多用され、「実現の仕方を思案」する
    • 名詞上接は、続狂言記以降に推量と共起する(Nがな推量)ものが極めて多い
  • ガナの表す意味は、
    • 基本的には、上接語を具体例として取り上げる「例示」の意味
    • 強調の意は、終助詞モガナ・ガナの影響があるか
  • ガナの用法の変遷は、不定語→(連用形上接)→名詞~推量とまとめられるが、バシ(小林2006)にも同様の現象が観察できる
    • 近世中期以降の台本で例示を表し、
    • 文末辞に割って入って文全体を取り立てるという共通点と、
    • ガナは推量、バシは疑問という使い分け
    • ガナは狂言固有の表現ではないが、バシは狂言固有であり、狂言のバシの用法はガナの影響を受けて成立したものか

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雑記

  • 日本語論文に戻ります
  • お勉強の時間もあまり取れないし、後で参照するときは結局読み直すことになるのでコンパクトにやっていきます