ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

任利(2005.8)文末の「かしら」と非文末の「かしら」:性差表示の出現位置をめぐる一考察

任利(2005.8)「文末の「かしら」と非文末の「かしら」:性差表示の出現位置をめぐる一考察」『筑波日本語研究』10

要点

  • 現代語の文末カシラは使用者が女性であることを積極的にマークするが、
  • 不定指示の機能を持つ非文末のカシラ(何かしら~)は、性差表示に用いられない
    • また、自然談話は文末カシラに偏り、非文末カシラは見られない
  • すなわち、性差表示は待遇表現(を担う文末表現)と同様に文末表現において最も顕著で、非文末の形式はそれを積極的には担わないことを示唆する
    • 日本語における性差表示は主に人称代名詞と文末表現が担うが、文末表現の場合、本来の固有の意味に加えて、性差による差異が加えられたと考える

雑記

  • 働きたくない~