山口堯二(1999.10)「べし」の通時的変化
山口堯二(1999.10)「「べし」の通時的変化」『京都語文』4
要点
- 中古~室町までのベシの歴史を考える
- 意義の相互関係をまとめると、
- 通時的な見通しとしては、
- 中世には、状態を推定対象とする割合が減少している。
- 中世には、当為を推定対象とする割合が増加している。
- 中世には、現実的な事柄を推定対象とする割合が減少し、観念的な事柄を推定対象とする割合が増加している。
- 中世には、意志・勧誘・命令の意義が両立して認められる例の割合が、それぞれ増加している。
- すなわち、現実的な表示性が弱まり、観念的な表示性が強まっている
- 形態的には、
- 中世にかけて、上接語や形態的なバリエーションが減少しており、
- 連体法の減少は特に、現実的な意義の用法に目立つ
- 反語・否定にの中での出現が増えるが、これは意味変化における「観念的な表示性の強まり」によるものと考えられる
雑記
- 「2000年以降じゃないとなかなか読むぞって気にならないですね~」とも言われた