ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

深津周太(2013.4)動詞「申す」から感動詞「モウシ」へ

深津周太(2013.4)「動詞「申す」から感動詞「モウシ」へ」『国語国文』82(4)

要点

  • 16C後半成立のモウシの成立事情についての問題
    • どのような文脈に用いられたモウスからモウシが生まれたか
    • 動詞としての構文的機能をどのように喪失したか
    • 呼びかけの意味を獲得するプロセスはどのようなものか
    • なぜ中世末期なのか
    • なぜ終止形でなく連用形なのか
  • 感動詞+発言用法]をモウシの出発点として考える
    • モウシは、13-15Cには例のない「上位者待遇の呼びかけ感動詞」であり、コミュニケーションの質的変容に要求されて成立した形式
    • 発話動詞のモウスには、コミュニケーションの開始を図る用法(発言用法)があり、
    • これが15C以降に、イカニ・ノウノウなどの呼びかけ感動詞と共起するようになる
  • 以下の4タイプに分けられるが、このうち、 C>D>モウシ というプロセスでモウシが成立したと考える
    • A: 感動詞+申すべき事あり B: 感動詞+申さん C: イカニ+申し(上げ)候 D: イカニ+申
    • 特に C, D は構文的・意味的に、感動詞的な性格を獲得している(ニ・ヘ格の表示率の低さなど)
  • 形態縮約によって感動詞「モウス」が生まれなかったのは、終止形との形態的差異の要求が働いたためか(cf. 物申す>モノモウ)

雑記

  • ジャカジャカじゃんけんが頭から離れない