吉井健(2015.11)「現代語の「~かねる」覚書」『日本言語文化研究』20
要点
- 現代語で不可能を表すカネルの前接動詞を考える
- 前接動詞は、判断・認識に関わる動詞が多く、
- A1 判断するなどの認識・判断 A2 賛成するなどの相手の意に添う意
- B 発話動詞 言う、申し上げる、答える
- C 腹に据えるなど D 待つ
- 上代中古のカヌは基本的に意志動詞だが、現代語では「わかりかねる」「予想のつきかねる」「賛成できかねる」などの無意志動詞の例がある
- 無意志動詞の場合も、判断・認識の意からは外れていない
- ポライトネス上の選択として、「主体の意志はその実現を願っている」ことを示しながらも、「にもかかわらず実現できない」(不可能である)ことを示すために使われていると考えられる
- カネルとカネタ・カネテの場合で前接動詞に偏りがある
- 「見かねた」「待ちかねた」「たまりかねた」「耐えかねた」など
- 特に見る・たまる・耐えるは連体修飾で「~かねた人」が多く、「~ことができない」というより「~することに耐えられない」という意味に偏る
雑記
- SNSで元気な同僚の先生、マジで一日中つぶやき続けてて怖いな