近藤泰弘(1997.7)「「文の構造」をどう扱うのか:古典語の複文構造の概観」『国文学解釈と鑑賞』62(7)
要点
- 南の従属節分類に従って源氏の従属節を分類すると以下の通り
- A:て(様態)、つつ、ながら、で(否定)、連用形
- B:とも、ば(仮定)、は(仮定)、ば(確定)、ども、ど、ものの、ものから、ものゆゑ
- C:を、に
- テはA~Cにまたがるようである(→近藤2007, 2012)
- 付帯状況のテ(A類):すぐれて時めきたまふありけり
- 原因理由のテ(B類):御旨つとふたがりて、つゆまどろまれず、明かしかねさせたまふ
- 時間的継起のテ(B類):月日経て、若宮参りたまひぬ
- 並列的なテ(C類):よろづの所求め歩きて、…からうじて辿り来たり
- 他の問題として、
- ヴォイスにしか接続しないツツは、節の形成に直接関係しない
- B類は トモ、バ(仮定)、バ(確定)、ド・ドモの順に独立性が高くなっているか?
- ガがC類になっているか(接続助詞になっているか)は問題となるが、「~バ~ガ」がないので、源氏の時点ではまだ発生していない可能性が高い
雑記
- 不要不急の ronbun yomu