2020-03-31 宮内佐夜香(2007.6)近世後期における情意的逆接表現の実態:ノニ・モノヲの用法の差異について 近世 条件表現 宮内佐夜香(2007.6)「近世後期における情意的逆接表現の実態:ノニ・モノヲの用法の差異について」『都大論究』44 要点 近世後期の不満・非難を表す逆接確定条件表現「情意的逆接表現」の様相と差異、通時的変化について考える 洒落本~人情本の例は以下の通り。以降、ノニ(・ニ)・モノヲについて考えたい p.2 モノヲとノニの差異として、 ノニは単に論理的な逆接関係を示すことも多いが、モノヲはほぼ、前件を根拠とするマイナス評価が言語化される そこから派生して、モノヲは、原因・理由の用法も持つ*1 一日ゐたり立たりする物を、腹もへらうぢやァねへか(浮世風呂) すなわち、ノニは逆接専用で、モノヲは逆接が中心でない(根拠の提示に用いられる) 複数機能を持つモノヲが淘汰され、ノニが残るという変化は、田中(1965)の「分析的傾向」でいう、「整理」と言える 雑記 さよなら3月来ないで4月 *1:「せいで」に近い?