ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

宮内佐夜香(2007.6)近世後期における情意的逆接表現の実態:ノニ・モノヲの用法の差異について

宮内佐夜香(2007.6)「近世後期における情意的逆接表現の実態:ノニ・モノヲの用法の差異について」『都大論究』44

要点

  • 近世後期の不満・非難を表す逆接確定条件表現「情意的逆接表現」の様相と差異、通時的変化について考える
  • 洒落本~人情本の例は以下の通り。以降、ノニ(・ニ)・モノヲについて考えたい

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p.2

  • モノヲとノニの差異として、
    • ノニは単に論理的な逆接関係を示すことも多いが、モノヲはほぼ、前件を根拠とするマイナス評価が言語化される
    • そこから派生して、モノヲは、原因・理由の用法も持つ*1
      • 一日ゐたり立たりする物を、腹もへらうぢやァねへか(浮世風呂
    • すなわち、ノニは逆接専用で、モノヲは逆接が中心でない(根拠の提示に用いられる)
  • 複数機能を持つモノヲが淘汰され、ノニが残るという変化は、田中(1965)の「分析的傾向」でいう、「整理」と言える

雑記

  • さよなら3月来ないで4月

*1:「せいで」に近い?