ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

清田朗裕(2020.3)ソモソモ考

清田朗裕(2020.3)「ソモソモ考」『国語と教育(大教大)』45

要点

  • ソモソモの名詞用法(そもそもが~)の獲得の過程と要因について考える
    • いわゆる文法化の方向性とは逆の方向性を持つ(接続詞→名詞)
  • 大文典や日葡には接続詞的なカテゴリとして記述されており、*1
  • 用法は以下のように推移する

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p.10

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  • すなわち、
    • 中古のソモソモは文全体にかかる典型的な接続詞が主、従属節内で用いられる副詞も見られ、
    • 中世には、
      • 直後のNPとの結びつきが強固になり、
      • 一方で、ソモソモコレハの形で固定化されることで、「ソモソモコレ/ハ」と「名詞の一部を構成する解釈の可能性が開かれる」
    • これを承けて、近世には、「抑此一行のおこりは」のような「起因」の例の名詞句の部分が省略されることで、名詞用法を獲得する*2

要点

  • なんか疲れた

*1:ここの古辞書の記述…

*2:「このような言語事実を重視すると、一方向性仮説が示す範囲及び妥当性を見直す必要があるだろう」(p.12)とあるが、なぜ逆方向が起こり得るのかという話をしてほしかった 副詞→名詞らしきものは、モットモなんかもそうかも