ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

吉井量人(1977.9)近代東京語因果関係表現の通時的考察:「から」と「ので」を中心として

吉井量人(1977.9)「近代東京語因果関係表現の通時的考察:「から」と「ので」を中心として」『国語学』110

要点

  • 江戸語・東京語のノデ・カラについて考える
  • 全体的な調査、
    • カラが会話文に使われ始めるのは1700年頃からで、1760年頃から中心形式に
    • 1800年前後にノデが散見、1850年頃に確立
  • 共時的に見たとき、
    • カラは終止形接続、ノデは連体形接続で(形容動詞から判断)
    • そのため、カラは前件が文脈上完結する(陳述作用がある)ために「主観的に説明する」(永野1952)ものになり、ノデは完結しない(陳述作用がない)ために、「主観を越えた因果表現」となる
    • カラの後件省略の偏り、「(結果)は(理由)からだ。」、サエ・キットとカラの共起、ウ・ヨウ・マイにノデがつかないことなどはここから説明できる
  • 通時的に見たとき、
    • ノデの上接語は連体形らしさを失っていて(だので)、「終止形接続への変容」が始まっている

雑記

  • 二度寝してオンタイムのやつの5分前に目が覚めて、オンラインでよかった~!ってやつやってます(学生か?)