山田潔(2001)「助動詞「うず」の表現性」『玉塵抄の語法』清文堂出版 初出1975「史記抄における助動詞「ウ」「ウズ」の考察」『国学院雑誌』76(7)
要点
- キリシタンの結果に基づきつつ、抄物におけるウ・ウズについて考える
- 以下の点はキリシタンと同様
- 1 ウは疑問詞と呼応し、単純な推量を表すのに対し、ウズは確かな推量および近接した未来を表す
- 2 ウは願望の意味を帯びた意志を表すのに対し、ウズは当為の意味を帯びた意志を表す
- 3 ウズは意志推量の他に、当然・適当・予定・可能・命令を表し、ほぼベシの意味領域を網羅する
- 「ウは単純な推量、自発的な意志を表し、ウズは判断を表す」とまとめられるが、この差が以下2点に現れる
- 4 ウは仮定表現に用いられる
- ウニハ・ウニコソ・ウ時ニハ・ウナラバ・ウバ
- これは、ウが単純な推量を表すことによる
- 5 逆接の場合はウズが用いられる
- ウズ(ル)ニ・ウズガ・ウズヲ、ウズモノヲなど
- 已然形もある(ウはコソ~ウメの例があるなど、もはや無関係のものと捉えられている)
- このウズの用法は、そのままベシにも当てはまる
雑記
- Celesteが面白すぎる、Chapter9がムズすぎる