山田潔(2001)「助動詞「うず」の表現性」『玉塵抄の語法』清文堂出版 初出1998「玉塵抄の助動詞「ウズ」」『学苑』694
要点
- ウズについてこれまで分かったこと6点
- 1 ウは疑問詞と呼応し、単純な推量を表すのに対し、ウズは確かな推量および近接した未来を表す
- 2 ウは願望の意味を帯びた意志を表すのに対し、ウズは当為の意味を帯びた意志を表す
- 3 ウズは意志推量の他に、当然・適当・予定・可能・命令を表し、ほぼベシの意味領域を網羅する
- 4 ウは仮定条件句に用いられる
- 5 ウズは逆接に用いられる
- 6 ウズ終止法はウに比して改まった表現性があり、謙譲語・丁寧語との結びつきが強い
- 玉塵抄においても同様の傾向が認められ、
- 玉塵抄における韻府群玉の注解と本文のウズを比べることで検討すると、やはりウズがベシの後裔であることが確認できる*1
- ウズは、「可」(ベシ)に対応する
- 之ヲ服スレバ長生ス可シ → 此ヲ服シタラバナカイキセウズ
- ウズは、再読文字「当・須・宜・将」(当然性・必要性・適宜性)と対応する
- ウズは、反実仮想の帰結に「ウズコト(デ)ハナイ」として使われる
- ウズは、「可」(ベシ)に対応する
雑記
*1:この手法なにかで使ってみたいな~