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言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

鶴橋俊宏(2013.1)江戸語の推量表現(1)先行研究・研究資料

鶴橋俊宏(2013.1)「先行研究・研究資料」『近世語推量表現の研究』清文堂出版

要点

  • 江戸語の推量表現についてこれまで分かっていること
    • 意志・推量が分化すること
    • 江戸後期の推量の型が次の通りであること(中村通夫)
      • アル・ナル以外の動詞→ダロウ/アル・ナル・形容詞・形容詞型・タ→ウ
    • アル・ナルはウとダロウが混用されるが、それ以外の動詞におけるダロウの定着は天明~寛政頃(原口裕)
    • 下接語にも差異があること(原口)
      • 化政期に、終止終止形はダロウ、助詞を伴うものはウ
      • 天保期の人情本に、格助詞を伴うものはウ、終止はダロウ
  • 余地があること
    • ウとダロウの意味差、ダロウの成立と用法の拡張
    • ノダロウの定着、ダロウとノダロウの分化
  • 以下、使用資料の概説

雑記

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