鶴橋俊宏(2013.1)「洒落本におけるノダロウ」『近世語推量表現の研究』清文堂出版 初出1998『静岡県立大学短期大学部研究紀要』11(1)
鶴橋俊宏(2013.1)「洒落本におけるデアロウ」『近世語推量表現の研究』清文堂出版 初出2011『言語文化研究』10
要点
- ノダロウとダロウの併用は文政期以降とされる(土屋信一)が、ノジャロウが宝暦に見られること、ノダ・ダロウの出現時期から離れていることから、疑わしい
- 洒落本の例を見ると、
- ノダロウのノが体言に可換であるものに偏り、
- 形容詞ダロウ・タダロウが遅れるのに対し、形容詞ノダロウ・タノダロウは当初から見られ、傾向が異なる
- 事情推量・確認要求のいずれもが早い時期から存する
- ノダロウのノが体言に可換であるものに偏り、
- ここまでまとめ、
- ダロウとノダロウの併用がダロウが文献に現れ始めた時期からそれほど遠くない時期に始まっていた
- ここまでのノダロウは、「ノによる名詞句を承ける非活用語承接のダロウと解すべき」
- 江戸語のデアロウがノダロウ相当の意味を持つことについて、デアロウ・ダロウの差異も含めて考える(4節)
- 洒落本のデアロウはダロウ・ノダロウと同様にデアロウ・ノデアロウの分化が既にあり、
- ノダロウ同様、ノデアロウは旧情報を承ける例がなく、
- [旧情報]のは[新情報]が(~から)[旧情報]のだ。
- ノダロウ同様、確認要求が見られる
- 結局、デアロウ・ダロウの差異は位相差・文体差によるものと思われる
雑記
- 出てるわね