坂梨隆三(2001.5)「ロドリゲス『日本大文典』の「ないで」」宮下志朗・丹治愛(編)『シリーズ言語態3書物の言語態』東京大学出版会
要点
- 大文典の否定の記述に「上げないでござる」「申さないでござる」があるが、「なんで」とあるべきものではないか
- しかし、コリャード文典にも同様のナイデが見られる
- が、ナイデの例はすべて稿本にはなく、しかも、版本にはナンデがある
- コリャード懺悔録、小文典、虎明本にもナンデがある
- 当時一般的だったと考えられるナンデに大文典が触れないのは不自然
- しかし、コリャード文典にも同様のナイデが見られる
- ナイデは当時の上方にナイの使用がない以上(大文典のナイにも「関東で」の記述あり)おかしく、
- 音声的にも類似するし、このナイデがコンタミによって生まれたと考えた上で、
- ナンダの連用形相当のナンデが基本であったと考えるのがよい
- ナンダの成立には、ヌアッタ説ではなく、ザッタ→ナッタ→ナンダ説を採る
- 「デ」については、タリの連用形にはテはないので、過去分詞を作るときに「DaをDeに変える」(小文典)ことが適用されたものと考える
- ツ(ル)の連用形とは考えない
雑記
- えごま植えた~い