ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

森脇茂秀(2000, 2001)希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって

森脇茂秀(2000.12)「希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって(一)」『別府大学国語国文学』42 森脇茂秀(2001.3)「希望の助辞「もがな」「がな」をめぐって(二)」『山口国文』24

要点

  • シカ系・カシは「詠嘆的希望表現」から「主体的希望表現」へと変容することによって衰退していったと考えられる*1が、
  • モガ系はガナとなって近世まで残る。このことについて考える
  • 中世前期において、
    • 前代と同じ詠嘆的希望表現もあれば、
    • 中世語的な副詞句との呼応(あはれ~がな)もあり、
    • 不定語ガナ~。の副助詞的用法もある
  • 中世後期には「不定語+ガナ~」の副助詞的用法が主用法となる
    • 特に、「~ガナ~ウ」という共起が多い
    • この変化は、 ~かし。>さぞかし と並行的に捉えられる*2

雑記

  • よくわかんないと逆に読むのに時間かかったりする

*1:どういう因果?

*2:希求の方のカシじゃなくてゾカシ由来だから、これは違うだろう