小田勝(2006)「不十分終止の句」『古代語構文の研究』おうふう
要点
- 形態上独立した句をすべて「挿入句(はさみこみ)」で説明するのは難しい(問題の所在)
- 挿入句とは異なるタイプのものとして、「提示句」が存在することを示す(第2節 提示句)
- 挿入句は削除可能だが、次例は削除すると意味が通らない
- 此ノ牛、片山ニ―ノ石ノ穴有リ、其ノ穴ニ入ル。
- 「提示句は文中の格成分が句の形で提示されたものと解釈され、適切に連続する一文の中に別の文が補足説明として挿入されたと解釈される「挿入句」とは異なる」
- 提示句は今昔に例が多く見られるが、原漢文に起因するものとは言えない
- また、提示句を基礎とした複数の句の連続が見られる
- 提示句とその補足説明の挿入句:「…」ト云テ、(提示句)一人ノ乞匈人有リ、(挿入句)形貌醜クシテ人ニ不似ズ、此ヲ召シテ王ノ云ク、…
- 「「提示的句連統」の複雑なものは、読点と句点の二種という現行の句読点のシステムでは、これを適切に示すことができない」
- 2句以上からなる提示句
- こうした長い提示句連続により、構文破綻が起こることもある
- 提示句とその補足説明の挿入句:「…」ト云テ、(提示句)一人ノ乞匈人有リ、(挿入句)形貌醜クシテ人ニ不似ズ、此ヲ召シテ王ノ云ク、…
雑記
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