櫻井真美(2002.11)「山形市方言の条件表現形式「ドギ」」『言語科学論集』6. http://hdl.handle.net/10097/30744
要点
- 山形市方言のドギ(時)は、仮説的用法を持つ
- 疲れているトキ、もう寝なさい。(1)/ツカレッタドギ、モウネロー。(1)'
- 本来のドギを清音化した場合でも「使用が可能だと思ってしまうことがある」(気づかない方言)
- ドギは順接仮定条件を表すが、「仮説的用法」の一部(書くなら丁寧に書け)と「事実的用法」(行ったら会った)でしか使用できない。
- *ガンバテ カグドキ、シメキリサ マニアウ。(4)'
- 反事実的用法(早く来ればよかったのに)、一般・反復、前置き(今思えば)は不可
- 後件の使用制限は、
- 仮説的用法の場合:「働きかけ」の場合に可、「述べたて」の場合に不可
- 事実的用法の場合には制約はない
- 共通語の「時は」「時には」の場合、山形市方言では無助詞の「ドキ」が使用可能である
雑記
- この現象知らなかったけど、中世前期のトキニとどう関係するのかな、独自の変化かな
- 職に就くと新しい知識を入れなくなって、院生のときの貯金でやりくりしようとするとかいうの、マジじゃんってなっており、夏休みということもあって久々に再開します
- 論文読んでないわけではないです