ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

大川孔明(2020.8)文連接法から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型

大川孔明(2020.8)「文連接法から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型」『日本語の研究』16(2).

要点

  • 文連接法(接続詞、指示詞、接続助詞、無形式)を指標としたクラスター分析により、平安鎌倉時代の文学作品に以下の文体類型の位置付けができることを示した
    1. 接続助詞率が高い接続助詞型(『竹取物語』『源氏物語』など)
    2. 接続詞率・指示詞率が高い接続詞指示詞型(『大鏡』『宇治拾遺物語』など)
    3. 無形式率以外の数値が低い無形式型(『蜻蛉日記』『徒然草』など
  • 加えて、以下の点も主張
    • 和漢の対立と文連接法には関係性があり、
    • 典型的「和文」とされてきた作品は、接続助詞型に多い

p.142

雑記

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