野呂健一(2013.3)「~わ~わ」構文の分析
野呂健一(2013.3)「「~わ~わ」構文の分析」『日本語文法』13(1).
要点
- 並列述語構文「~わ~わ」に以下の2種類を認めるとき、
- V1わV2わ:雨には降られるわ、デートに遅刻するわ、…
- VわVわ:雨が降るわ降るわ
- 「V1わV2わ」は以下ような特徴を持ち(「交差的並列」は、「同時に両要素を満足させる並列関係」を指す、森山1995)、
- 「後件の事態に対する理由または具体例となる複数の事態を累加的に列挙し、聞き手に評価的態度の高まりをもたらす」と記述できる
- 「VわVわ」は、「眼前で生じる事態を繰り返し認知した結果生じた当該事態に伴う程度・量の甚だしさに対する驚きを聞き手に伝える」と記述できる
- どちらも、「共通のカテゴリーを満たす事態の反復」という共通性を認めることができ、「類像性」(iconicity)の観点から、「内容の増加を反映するという「量の類像性」が反映した表現である」と説明できる*1
- 形式的には、「V1わV2わ」が中心的で、「VわVわ」は構文としての慣習性が低い
雑記
- 買った(買っただけ)
*1:ここ後半要る?