ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

山口佳也(2003.3)「連体なり」の文について:「源氏物語」の用例をもとに

山口佳也(2003.3)「「連体なり」の文について:「源氏物語」の用例をもとに」『十文字国文』9.

要点

  • 源氏の連体ナリ文は、著者がノダ文において主張した、以下の4つのタイプに分類可能である

p.2

  • 源氏の例、
    • Ⅰ:例ならず下り立ちありき給ふは、疎かには思されぬなるべし。
    • Ⅱ:ただこれ、西に行くなり。
    • Ⅲ:いかなる者の集へるならむ、と~
    • Ⅳ:(若君が戻っていないことを先行詞として、)若君は(二次的題目)いづくにおはしますならむ。
    • これらはいずれも、ノダ文と同様、「ある事態Xについて、そのことはとりもなおさずYという事態である」ことを表す

雑記

  • ジ・演繹って感じだ
    • あんま日本語史の研究でゴリゴリの演繹の事例を見なくて、説明に困っていた(ちょっと前の文法化研究くらい)