森野崇(1987.6)「係助詞「なむ」の伝達性『源氏物語』の用例から」『国文学研究』92.
要点
- ナムが、「確定的なモノ・コトをとりたて、それを聞き手に対して丁寧に、穏やかにもちかける機能を有する」ことを主張する
- まず、先学の指摘する伝達性については、以下の点から、「具体的な聞き手の存在を前提とする」ものと説明できる
- ① 会話文や消息に多く
- ② 心話文にほとんどなく
- ③ 和歌の例が皆無
- ④ ナムーヤ、ナムーカシの欠如
- ⑤かくなむ、さなむ の存在
- ゾ・ナムは、芳賀の2種の陳述を援用すると、以下のように差異を示すことができる
- ゾ:終助詞との共起などの他の要因がない限り、述定の文にとどまる
- ナム:常に「述定+伝達」の文となる(芳賀の「第二種の陳述」)
メモ
- 短大紀要がNDLで採られてない件、こういうのを教えていただきました(恥ずかしながら全く知らなかった)
雑記
- 逆に、Evidence based じゃない linguistics ってなんだろ?░░░░░░(任意の分野を入れてください)のこと?