長崎靖子(2004.11)江戸語から東京語に至る断定辞としての終助詞「よ」の変遷
長崎靖子(2004.11)「江戸語から東京語に至る断定辞としての終助詞「よ」の変遷」『近代語研究12』武蔵野書院.
要点
- 前稿(2004.3)で示した江戸語の断定を表すヨの通時的変遷を、サとの比較も含めて考える
- 江戸語の断定のヨは女性の使用に(結果的に)制約があり、サは女性の方が使用率が高い
- 現代語のヨは女性専用と理解され、サは男性語的である
- 使用の推移は以下の通り
- ヨの女性語と考えられる使用は明治初期以降
- 一方、男性によるヨの使用は減少傾向にある
- これらの変化は、サの変化(長崎1998)とヨの変化に起因する
- デスの標準語化によってサの「丁寧さ」が薄れた結果、サは女性に使用されなくなった
- もともとぞんざいな会話にしか使用されなかった断定ヨは、サが男性において中心的になることで標準的な使用から離れた
- これが一方で、結果的に女性の断定ヨの使用を促したと考える
雑記
- ジャパンがきもすぎる