前田桂子(2017.3)近世長崎文献より見る接続詞バッテンの成立について
前田桂子(2017.3)「近世長崎文献より見る接続詞バッテンの成立について」『国語語彙史の研究36』和泉書院.
要点
- バッテンの成立についてはバトテ説が一般的であるが、以下の問題がある。
- 意味の不連続性と、
- バトテが已然形に接続する一方で、バッテンが終止形・体言に接続すること。
- レバトテ→イバトテ から遊離したとする神戸説、ウバトテを介在させる坂口説は、この問題の解消を目指すもの。
- 近世文献を見ると、接続助詞と接続詞の2種類がある。
- 接続助詞では ~ウバッテン、~ンバッテンの例が目立つ。
- いかなちうつろばってんから(物類称呼)
- きつから(<きつかろう)ばってん山口迄はっていて(新板国なまりはいはいぶし)
- 接続詞としての用法は、アレ・ソレなどの指示詞を上接するものがある。
- 接続助詞では ~ウバッテン、~ンバッテンの例が目立つ。
- 冒頭の問題2点、
- 近世のバッテンには、単純な逆接ではない(ケレドモで解釈できない、現代のバッテンと異なる)例があり、
- 接続については、ウバッテンか、ン(<已然形ネ)バッテンから終止連体形接続になったのではないか。
雑記
- まだ9月