高見三郎(2001.1)「国語資料としての『四河入海』」『国語国文』70(1).
要点
- 四河入海には笑雲清三自筆本(東福寺本)と、古活字版の国会本(抄物大系の底本)が知られ、この他に、東福寺本に近い書き入れを有する東洋文庫本、内閣文庫本などがある。
- 内閣本・国会本における付訓・読み添えなどの書き入れの状態について、
古活字版が(東福寺本と比べて)誤植とされる部分があることの指摘が既にある。また、四河入海は『一韓翁聴書』、『天下白』などの先行抄の引用箇所(それぞれ一云…、白云…)と笑雲抄(三私云…)に異なりがあることが知られており、このことに基づいて、東福寺本で語形に異同のある語を抜き出すと以下表の通り、偏りが出る。
独立した一書としての『天下白』では、上の例は以下のようである。
- アルマイソ(四河入海の白云)/アルマシイソ(天下白)
- 天下白序文に「翠」として言及される江西龍派には『天馬玉津沫』という現存しない抄物があったという。米沢『東坡抄』https://www.library.yonezawa.yamagata.jp/dg/AA091.html の抄文は、○白 として天下白を引き、天下白が「続翠抄」として引く文には、東坡抄の「○馬」と一致するものがある。*1
雑記
- 脳が疲れてるのか、「おおよそは言い得ることであろう。」とか書かれても何が言い得るのかわからなくなってしまった 奥ゆかしさの逆だ
*1:このへん主張がいまいち分からなかった