ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

助詞

竹内史郎(2008.3)助詞シの格助詞性について:非動作格性と品詞分類

竹内史郎(2008.3)「助詞シの格助詞性について:非動作格性と品詞分類」『語学と文学(群馬大学)』44 竹内(2008)の続き、助詞シの振る舞いについて、同じように活格性の下で理解できることを主張する 上代のシと中古のシ 特に体言シ、シ+係助詞の、名詞…

佐佐木隆(2007.3)続紀宣命と『万葉集』に見える助詞「し」

佐佐木隆(2007.3)「続紀宣命と『万葉集』に見える助詞「し」」『学習院大学文学部研究年報』53 要点 助詞シの用法を万葉集と続紀宣命とで比較したとき、 万葉集の用法が広いだけでなく、続紀宣命独自の用法も見出される 前提 散文と韻文の構文上の差異を知…

栗田岳(2017.3)助詞ハの諸相

栗田岳(2017.3)「助詞ハの諸相」『萬葉』223 要点 主題でないハが「非存在対象」の言語化であることに基づき、 ハの本質的性格を「言語上のものとして定位された対象を提示すること」と位置づける 問題 文中の体言類+助詞ハによる主題の提示はあくまでも…

山口佳紀(2016.3)『万葉集』におけるテハとテバの用法

山口佳紀(2016.3)「『万葉集』におけるテハとテバの用法」『成蹊大学文学部紀要』51 要点 上代におけるテハ・テバの用法整理と問題例の処理 テハの用法3種 A:前件として既定の事態を述べて、後件にその後に生ずる事態を述べるタイプ。してからは・したあ…