2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
村山実和子(2019.8)「接尾辞「ハシ(ワシイ)」の変遷」『日本語の研究』15(2) 要点 形容詞化接尾辞ハシは、中古には動詞からの派生、中世・近世に形容詞からの派生を行うようになり、近世以降に衰退する この変化は、同種の形容詞→形容詞化接尾辞の歴史と…
三宅俊浩(2018.11)「近世後期尾張周辺地域における可能表現」『名古屋大学国語国文学』111 要点 近世後期の尾張において、以下の交替が確認される 五段動詞はレルから可能動詞へ(1) 一段・カ変はラレルからラ抜きへ(2) サ変はナルからデキルへ(3) 1,…
山際彰(2018.10)「時間的意味から空間的意味への意味変化の可能性:「端境」の変遷を通して」『国立国語研究所論集』16 要点 「端境」は、一般的傾向に反する「時間的意味から空間的意味」という意味変化のように見えて、そうではない 前提 語の意味変化の…
徳本文(2017.3)「複合動詞の後項「こむ」の変遷」『立教大学日本語研究』24 要点 Vコムは中世から近世にかけて発達する 前提 現代語のVコム*1の用法を参考に、本動詞の意味を保つかどうかを基準として、以下の分類を立てる 内部移動:落ちこむ、食いこむ、…
泉基博(1995.11)「『十訓抄』における「つ」と「ぬ」:史的変遷を中心にして」『宮地裕・敦子先生古稀記念論集 日本語の研究』明治書院 要点 「つ」「ぬ」の転換期である中世前期の様相を『十訓抄』を元に考える 使用量と活用 源氏から十訓抄にかけて、ヌ…
高見三郎(1990.6)「『杜詩続翠抄』の「マジイ」「ベイ」」『女子大国文』107 要点 杜詩続翠抄にはマジイがある程度用いられており、ベイも固定せずに用いられている 前提 杜詩続翠抄はナリ体だが、ナリ・ゾは口語性の一つの目安に過ぎないので、マジイ・ベ…
高見三郎(1977.3)「杜詩の抄:杜詩続翠抄と杜詩抄」『山辺道』21 諸本 杜詩続翠抄 両足院蔵「杜詩続翠抄」 国会図書館蔵「杜詩続翠鈔」 杜詩抄 両足院蔵「杜詩抄」 足利学校図書館蔵「杜詩抄」 原典は『集千家註批点杜工部詩集』 続翠抄 両足院本続翠抄は…
青野順也(2007.10)「終助詞「な・ね」と希望表現」『国学院雑誌』108(10) 要点 上代の終助詞ナ・ネはナが先行し、意味分化はネの成立によるもの 前提 上代の希望表現ナ・ナム・ニ・ネのうち、ナ・ネについて考える 以下の定義付けに基づけば、ナは願望・勧…