2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
Bert Cornillie, 2008. On the grammaticalization and (inter)subjectivity of evidential (semi-)auxiliaries in Spanish. Elena Seoane and María José López-Couso (eds.), Theoretical and Empirical Issues in Grammaticalization, 55–76 要点 スペイ…
Lobke Ghesquière, Lieselotte Brems, and Freek Van de Velde, 2012. Intersubjectivity and intersubjectification: Typology and operationalization. English Text Construction 5(1), 128-152. 要点 形容詞、ヘッジ、タグ、敬語などの事例研究から、int…
Heiko Narrog, 2012. Beyond intersubjectification: Textual uses of modality and mood in subordinate clauses as part of speech-act orientation. English Text Construction 5(1), 29–52. 要点 日本語・英語におけるモダリティ・ムード形式の texutual…
Elizabeth Closs Traugott, 2012. Intersubjectification and clause periphery. English Text Construction 5(1), 7-28. 要点 subjectification と intersubjectification を区別する方法を、英語の no doubt と surely をケースに考える。 これらの副詞は…
Kyou-Dong Ahn, 2020. From honor to disparagement: The grammaticalization of -tapsiko in Korean. Journal of Pragmatics 155, 28-42. 要旨 韓国語には話し手の主観的態度を伝えるカテゴリーがあり、その中に、複合的に、軽蔑的な意(pejorative)を示す…
Seongha Rhee, Hyun Jung Koo, 2020. From quotation to surprise: The case in Korean. Journal of Pragmatics 155, 83-100. 要点 韓国語の mirativity を表す終助詞、 -tani などの発達について考えたい。 ku-ka cwuk-ess-tani! he-NOM die-PST-MIR ‘That …
Maria Averintseva-Klisch, 2008. To the right of the clause: Right dislocation vs. afterthought. In Cathrine Fabricius-Hansen, Wiebke Ramm. (eds.), ‘Subordination’ versus ‘Coordination’ in Sentence and Text: A cross-linguistic perspective. …
Martina Faller 2014. Reportative evidentials and modal subordination. Lingua 186-187, 55-67. 要点 Modal subordination は モダリティのスコープが前文の別のモーダルな形式のスコープに従属化する現象である An alien might have abducted the cow. H…
Jan Nuyts, Pieter Byloo, 2015. Competing modals: Beyond (inter)subjectification. Diachronica 32(1), 34-68. 要点 オランダ語の kuunen "can", mogen "may", moeten "must" の意味の発達をコーパスベースで調べる mogen と kuunen には (inter)subjecti…
Daniël Van Olmen, 2013. The Imperative of Say as a Pragmatic Marker in English and Dutch. Journal of Germanic Linguistics 25.3, 247–287. 要点 英語とオランダ語で、「言う」の命令(形)が語用論標識になる 英語の場合、 節頭で接続詞のように働く…
Winnie Chor, 2013. From ‘Direction’ to ‘Positive Evaluation’ : On the Grammaticalization, Subjectification and Intersubjectification of faan1 ‘return’ in Cantonese. Language and Linguistics 14(1), 91-134 広東語の方向の助詞 faan1(返) につ…
Seongha, Rhee. 2012.5. Context-induced reinterpretation and (inter)subjectification: the case of grammaticalization of sentence-final particles. Language Sciences 34(3), 284-300. (コンテクストが誘発する再解釈と(間)主観化:終助詞の文法化…
鈴木英夫(1985.5)「「ヲ+自動詞」の消長について」『国語と国文学』62(5) 前提 「腹を立つ」の疑問から出発して、 ヲ+自動詞の消長について考える ヲ+自動詞 Ⅰ「太郎が川を渡る」類には消長はない 自動詞の移動動詞がヲ格を取る場合、自動詞主語が他動…
小林美沙子(2010.3)「新方言として終助詞化した「し」の命令・禁止・勧誘表現について」『首都圏方言の研究』1-1 要点 接続助詞シに由来する終助詞シに、「しろし」などの命令・禁止・勧誘が見られる 調査 命令・依頼・禁止にはつかないとされているが、つ…
吉田茂晃(2005.11)「"結び"の活用形について」『国語と国文学』82(11) 前提 吉田(2001, 2004) 品詞ごとの文終止能力の見取り図 弱活用 存在詞 形容詞 終止形 弱 強 強 連体形 強 強 弱 連体形係り結び すなわち、弱活用の連体形は文終止がむしろ中心的な…
吉田茂晃(2004.3)「文末時制助動詞の活用形について」『山辺道』48 前提 吉田(2001) 会話文における弱活用の連体形終止の用例は終止形のそれよりもむしろ多く、 連体形は叙述の流れを切るところにその本質がある 動詞述語文で係助詞と文末活用の関係が確…
吉田茂晃(2001.3)「文末用言の活用形について」『山辺道』45 前提 係り結び研究は係り結び文だけを見ているが、用言述語全例を見て考えるべきではないか 弱活用、アリ、形容詞の終止・連体・已然形の例を考える 資料を以下の4類に分け、地の文・会話文に分…
坂口至(1990.3)「噺本に見る近世後期上方語の諸相」『文学部論叢(熊本大学)』31 前提 後期上方語の資料としてあまり活用されてこなかった後期噺本の資料性を考えたい 活用 二段活用の一段化:自立語では洒落本と同等で、付属語はやや少ない ラ行下二段の…
三原裕子(2016.2)「後期咄本に現れる原因・理由を表す条件句」『(アクセント史資料研究会)論集』11 前提 明和以降の後期咄本について、以下の問題を考えたい ホドニ・ニヨッテ・サカイの衰退と カラの隆盛・ノデの抬頭 全体的な推移 江戸板では、 上方語…
森脇茂秀(2015.3)「比況表現の一形式」『山口国文』38 前提 九州方言のゴト・ゴタルが希望表現に出現する要因を考えるために、 ヤウナリが希望表現を獲得する過程を考える ヤウナリ・ヤウニの意味 中古においてヤウナリが比況になる場合、以下の傾向がある…
藏本真由(2018.3)「「感じがする」の前接要素と形態的特徴」『国文学』102 前提 「感じがする」の通時変化について、以下の資料を用いて、 近代文学・近代雑誌 現代文学・雑誌・Yahoo・Twitter 以下の観点から考える 様態・引用形式前接の有無 前接品詞 形…
渡辺由貴(2011.3)「中世における文末表現「と思ふ」と「と存ず」」『早稲田日本語研究』20 前提 中世における文末表現の「と思う」「と存ず」の位置付けを、以下2点から考えたい 話し手と聞き手の関係性 モダリティとしての表現性 分析1 身分の関係を見る…
後藤睦(2019.6)「『宇治拾遺物語』のノ・ガ尊卑の実態について:「ノ・ガ尊卑説」再考のための端緒として」『語文』112 要点 中世前期のガノに尊卑による使い分けはないが、 一部そう見えるために、過剰般化された規範も存した 前提 規範としてのガノ尊卑…
青木博史(2014.10)「接続助詞「のに」の成立をめぐって」青木他編『日本語文法史研究2』ひつじ書房 前提 以下の2点に留意しつつ、ノニの成立・発達について考えたい ノ+ニの構造をどのように把握すべきか 「意外感」「不満」の意味の出どころ ノニの出自…
山口堯二(2001.10)「「やうなり>やうだ」の通時的変化」『京都語文』8 前提 やうなり>やうなる>やうな>やうぢや>やうだ の変化の見通しを示したい 以下の用法に分類できる 類縁性(様相の類似するもの同士を関係付ける) 例示 一致(この前のようにやる)…
李淑姫(2006.8)「虎明本狂言集における「ウと思う」の用法:推量・意志の助動詞「ウ」との比較」『日本學報』68 要点 虎明本のウと思う は意味的にはウよりも狭く、機能的にはウを補う 前提 虎明本のウと思うはウ同様、意志推量を表すが、意味機能に異なり…
山内洋一郎(2007.10)「助動詞「そうだ」の表記と機能:中世語研究の視点を中心に」『国学院雑誌』108(11) 要点 ソウダのソウは(「様」ではなく)「相」由来で、連用ソウダが先行する 前提 ソウダのソウは相とも様とも言われるが、よく分からない ソウダの…
坂詰力治(1995.11)「中世語法より見た『発心集』:国語資料としての性格」『国語と国文学』72-11 前提 発心集(鎌倉成立)の性格について考える 慶安4[1651]刊の版本による 発心集の文法現象 二段活用の一段化と見られるものに「朝ニサカヘル家」の例が…
小柳智一(2019.3)「孤例の問題:規範と文法変化」『国語学研究』58 前提 孤例について考える 体系における規範的形態でないものを亀井孝は「慣用」とするが、(規範もまた慣用の一種であるから)ここでは「非規範」として考える 規範と非規範は正誤の対立…
土居裕美子(2000.10)「平安・鎌倉時代における「さわぐ」を構成要素とする複合動詞語彙」『鎌倉時代語研究』 前提 平安和文と中世和漢混淆文の複合動詞語彙を考える さわぐ の前後項をそれぞれ以下の3つに分類 行動・動作:あけさわぐ/さわぎたつ 心情・…