2020-04-24 中川祐治(2007.3)「いかにも」の語史:副詞の文法化の一類型 通史 不定語 副詞 中川祐治(2007.3)「「いかにも」の語史:副詞の文法化の一類型」『国文学攷』192・193 要点 標記の問題を考える 現代語ではソウダ・ラシイとの共起や一種の程度副詞として用いられ、 古代語のイカニの性格は専ら命題にのみかかわり、モは否定・推量・疑問・反語などの不確実性の陳述と関わる 概観、 1 土左では、一語としてのイカニモは成立していない 2 その後、命題内で機能する、一語としてのイカニモが成立する さらに[いかにも〳〵あら]ねば、かうしつゝ死にもこそすれ(蜻蛉) 3 意志・願望の共起(主観的意味へのシフト)、epistemic への拡張*1 4 肯定との呼応も可能になり、程度副詞として機能するようになる、など 5 対人的意味が一層強まる 以下のモデルが想定される*2 p.55 雑記 承服しかねるときもある *1:「客観的意味から主観的意味への完全なシフトであり、語用論的強化の一つである」とあるけど、ここでわざわざ語用論的強化って言う必要あるんやろか *2:義務→認識ってルートとしてあるかな