ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

副詞

松本朋子(2011.3)「いかにも」の歴史的変遷

松本朋子(2011.3)「「いかにも」の歴史的変遷」『日本語・日本文化』37 要点 標記の問題について考える 古くは「否定」「任意」の2用法で用いられ、この段階では不定語としての性格を色濃く持つ これは、不定語イカニが選択対象の要素である前提集合を持つ…

中川祐治(2007.3)「いかにも」の語史:副詞の文法化の一類型

中川祐治(2007.3)「「いかにも」の語史:副詞の文法化の一類型」『国文学攷』192・193 要点 標記の問題を考える 現代語ではソウダ・ラシイとの共起や一種の程度副詞として用いられ、 古代語のイカニの性格は専ら命題にのみかかわり、モは否定・推量・疑問…

小柳智一(2019.10)副詞の入り口:副詞と副詞化の条件

小柳智一(2019.10)「副詞の入り口:副詞と副詞化の条件」森雄一・西村義樹・長谷川明香編『認知言語学を拓く』くろしお出版 前提 副詞でないものが副詞になる変化の条件を考える つゆ(名詞→程度副詞)、すべて(動詞句「統べて」→量副詞) 副詞分類には統…

岡部嘉幸(2011.3)否定と共起する「必ず」について:近世後期江戸語を中心に

岡部嘉幸(2011.3)「否定と共起する「必ず」について:近世後期江戸語を中心に」『千葉大学人文研究』40 問題 現代語においては必ずは肯定述語と呼応するが、江戸語に否定述語と共起する例がある 女房「そう仕なせへ。必(かならす)好男(いゝをとこ)を持…

吉田永弘(2016.3)副詞「たとひ」の構文

吉田永弘(2016.3)「副詞「たとひ」の構文」『国学院大学大学院紀要 文学研究科』47 要点 副詞たとひ(たとへ)について、以下の点を示す 位相の偏りが中世後期にはなくなる 意味レベルでは逆接仮定で変わらないが、形式レベルでは主にトモと呼応しつつ、様…

新野直哉(2012.3)昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識 :副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて

新野直哉(2012.3)「昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識:副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて」『言語文化研究(静岡県立大学短期大学)』11 要点 タイトルまんま、専門誌の論文における言語意識の記述について …

林禔映(2018.3)評価副詞の成立と展開に見られる変化の特徴

林禔映(2018.3)「評価副詞の成立と展開に見られる変化の特徴」『近代語研究』20 要点 「いっそ・さすがに・しょせん・せっかく・どうせ」を対象として、評価的意味を持つ副詞の形成に見られる変化の諸相を類型化する 意味変化として 変化前の語義・形態 名…

島田泰子(2018.3)副詞〈なんなら〉の新用法:なんなら論文一本書けるくらい違う

島田泰子(2018.3)「副詞〈なんなら〉の新用法:なんなら論文一本書けるくらい違う」『二松學舍大学論集』61 要点 タイトルまんま、現代における「なんなら」の新用法の発達に関して 従来の「なんなら」 日国に立項されるのは、以下の2種 (1)相手の意志・希…

川瀬卓(2017.12)副詞「どうやら」の史的変遷

川瀬卓(2017.12)「副詞「どうやら」の史的変遷」『語文研究』124 要点 副詞「どうやら」の推定用法の成立と周辺現象に関して 「どうやら太郎のようだ」などの推定との共起制限が成立期にはない 感覚的描写→感覚的描写&推定 という変化の筋道を立て、一般…

兪三善(2015.10)アーネスト・サトウ『会話篇』における言いさし表現について

兪三善(2015.10)「アーネスト・サトウ『会話篇』における言いさし表現について」『実践国文学』88 要点 サトウ『会話篇』に見られる言いさしについて ご ていねい に ありがとう ございます.さあ まず, まず, こちら へ どうか.わざと とそ を しとつ…

鳴海伸一(2013.11)副詞における程度的意味発生の過程の類型

鳴海伸一(2013.11)「副詞における程度的意味発生の過程の類型」『国立国語研究所論集』6 前記事の「けっこう」より前に書かれた、程度副詞の発生の類型化の論文(のうちの一つ) 要点 共時的観点から、工藤(1983)*1 スラッシュ以降は鳴海(2013)による…

鳴海伸一(2017.11)程度副詞「けっこう」の成立と展開

鳴海伸一(2017.11)程度副詞「けっこう」の成立と展開」『和漢語文研究(京都府立大学)』15 要旨 「けっこう」の主に、程度副詞用法の成立について述べるもの けっこうな物を着たがるは婬欲の心なり(六物図抄・形容動詞) それでもけっかう勤りますのさ(…

柴﨑礼士郎(2017.12)談話構造の拡張と構文化について:近現代日本語の「事実」を中心に

柴﨑礼士郎(2017.12)「談話構造の拡張と構文化について:近現代日本語の「事実」を中心に」加藤重広・滝浦真人編『日本語語用論フォーラム 2』ひつじ書房、pp.107-133 主旨 漢語の文副詞化(論文では名詞の副詞化)に関して、特に「事実」が近代以降に文副…