黄孝善(2020.3)近世江戸語終助詞の階層性と体系
黄孝善(2020.3)「近世江戸語終助詞の階層性と体系」『国語学研究』59
要点
- 標記の問題について、田野村1994が以下の分類を試みているが、説明できないものがある
- ワ(A)+サ(A)の処理の問題、ヤサ・ヤイの例があることなど
- 承接順序を示すと以下の通り、
- カ+イ・エ・サ・ス・ナ・ネ・ノ・ヤ・ヨ
- ワ+イ・エ・サ・ス・ナ・ネ・ノ・ヤ・ヨ…
- としていくと、次のように整理でき、
- 以下の3類に分けられる
- A:カ・ゾ・ワ・ゼ
- B:ヤ・サ・イ・ヨ・ナ
- C:ネ・エ・ノ・ス
- ただし、ヤはイ・ヨが後接し、ナはヤ・ヨ・サに後接するので、
- この承接順はそれぞれの終助詞の基本的意味と関係する*1
- A類は(話し手による)「新しい認識」を示すこと
- ゾ:新情報の伝達と認識の要求
- ワ:話し手の状況と想定とのギャップ
- ゼ:話し手の状況に対する非難・マイナス評価
- B類は「情報が自分側にあるものとして示す」こと
- C類は「情報をまだ受けいれてないことを示す」こと
- A類は(話し手による)「新しい認識」を示すこと
雑記
- 国語学研究59、めちゃ気合い入ってる