大川孔明(2020.9)叙述語から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型
大川孔明(2020.9)「叙述語から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型」『計量国語学』32(6).
要点
- 叙述語(副詞・形状詞・形容詞)を指標とした多変量解析により、平安鎌倉時代の文学作品に、以下の文体類型を得た*1
- A 物語日記-和文体型
- B 物語日記-漢文訓読文寄りの文体型
- C 紀行文和歌集型
- D 強紀行文和歌集型
- 叙述語は、「文体特有語」のような明確な文体素に留まらず、文体反映度が低くても、「それらをひとつの集合として捉えれば,文体を位置づけるうえで重要な要素として看做すことができる」(p.343)
雑記
- 通時適用、よろしく
*1:「文体の特徴語を示した研究は,予めある特定の文体を想定して検討を進めているが,想定した文体(筆者の設定した枠組み)に特徴的な語が存在することを前提としているため,そこで特徴的とされる語が文体的にどれほど重要なのか不明瞭であるといった課題が残る」(p.332)っていう先行研究の批判、こえ~