大川孔明(2022.3)「叙述類型から見た平安鎌倉時代の文学作品の文体類型」『国語学研究』61.
要点
- 述語形式を基準として、クラスター分析を用いて、平安鎌倉時代の文学作品に以下の文体類型を得た
- A:事象叙述型
- B:準事象叙述型
- C:属性叙述型
- D:主観叙述型
- 叙述類型は以下の4種
- 名詞述語:七十路、八十路は、海にあるものなりけり。(土佐)
- 動詞述語:桐壺の御方は、うちはへえまかでたまはず。(源氏・若菜)
- 形容詞述語:いとまめにじちようにて、あだなる心なかりけり。(伊勢)
- 形状詞述語:塩屋には、薄き煙靡然となびきて、中天の雲片々たり。(海道記)
雑記
- 昔の計量文体やってる人の体力、やばすぎる