ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

Daniël Van Olmen, 2013. The Imperative of Say as a Pragmatic Marker in English and Dutch

Daniël Van Olmen, 2013. The Imperative of Say as a Pragmatic Marker in English and Dutch. Journal of Germanic Linguistics 25.3, 247–287.

要点

  • 英語とオランダ語で、「言う」の命令(形)が語用論標識になる
  • 英語の場合、
    • 節頭で接続詞のように働く場合、(1)
    • 節半ばで、
      • 可能性を持つ例の提示、(2)
      • 曖昧さ、(3)
      • 可能性があるということを示す場合、(4)
    • 質問を示して、答えを促すような場合、(5)
    • 節頭で感動詞的に、聞き手の注意を引くなどする場合 (6) があり、
  • オランダ語は、
    • (3) と、(4) があり、
    • それ以外に、ヘッジとして使われる場合、(11)
    • 節頭で注意を引く場合(Heyに近い)、(14)
    • 節末で応答詞的に使われる場合、(15)
      • Zit het zo goed, zeg? ‘Does it fit now, say?’
    • 自由な生起位置で感動詞的に使われる場合 (16) がある

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p.265

  • そしてこれらは、このような経路で変化したと考えられる
    • のだが、節頭もしくは節末の用法は、それほど通言語的には見られないようである

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p.277

雑記

  • 謎フォーマットの書類を埋める作業は、つらい