岡部嘉幸(2000.9)「江戸語における終止形承接のソウダについて」『国語と国文学』77(9)
要点
- 標記の問題について、以下3点を考える
- 終止ソウダの「推量」「推定」の具体的内容は何か
- 終止ソウダの推量・推定と電文の関係性
- 連用ソウダの意味と、終止ソウダとの関係性
- 終止ソウダの推量用法は、「現在話し手が認識している状態から背後の事情を推量する」もので、既に起こったこと(タ形)や、現在成立していること(ある・形容詞)を推量することがほとんど
- 未来の出来事を推量する例はほぼない
- 終止ソウダの伝聞用法も、未来の事柄を表す場合がほぼない
- また、終止ソウダは終止法が圧倒的に多く、しかも連体法はない
- タ・アル・形容詞の述語によって事態内容の形成は終わっており、ソウダはそこに参加していないと考えられる
- すなわち、終止ソウダは、事態に外接して「経験的に把握できない」という意味を付加する形式
- ここから、推量と伝聞の意味が説明できる
- 連用ソウダは非終止法、特に連体法が多い
- これは、連用ソウダが事態内容の形成に参加できるということで、その事態は「客観的には未確認・未実現てはあるけれども、話し手にとっては確実なこと」と考えられる
雑記
- めっちゃ「イズム」を感じた