大倉浩(1993.7)「和泉家古本にみる狂言用語の整理・統一:「おりゃる」と「まらする」」『小松英雄博士退官記念日本語学論集』三省堂
要点
- オリャルとマラスルの使用状況を通して、天理本(1624-44)と古本六議(1652-1703)のことを考える
- 古本は、固定化への過渡期にある狂言の状況を反映した台本
- オヂャル・オリャルは、天理本で併用、古本でオリャル専用
- マラスル・マスルは、天理本・古本で併用
- オリャル専用という点では江戸中期以降の台本(俗語のオヂャルの排除)と類似するが、尊敬語の例が大半であるという点で相違する
- すなわち、古本のオリャルは、「天理本とも江戸中期以降の狂言台本とも異なる整理限定されたものである」
- マラスル・マスルは併用されるが、古い語形のマラスルを残して、マスルには制約がある
- ゴザリマラスル・マラセウズルはあるが、ゴザル+マスル・マスル+ウズルはない
- どちらも、古い語形・用法への用語整理として解釈することができる
雑記
- 4月~~、普通に来てくれ~~💧💧💧