堀崎葉子(1995.3)江戸語の疑問表現体系について:終助詞カシラの原型を含む疑い表現を中心に
堀崎葉子(1995.3)「江戸語の疑問表現体系について:終助詞カシラの原型を含む疑い表現を中心に」『青山語文』25
要点
- 疑問のうち、「問い」についてはほぼ明らかであるが、「疑い」はそうではない
- 「疑い」の形式は、「問い」と同形式であるかという点で2類に分けられる
- 1 同型の場合、
- A 説明要求の質問文と同型
- B 判定要求・選択要求の質問文と同型
- 推量を含む例が時代を下ると増える
- 「疑い」であることを明示する働きを推量の助動詞が持つようになったこと、問いと疑いが分化することを示唆する
- 2 異型の場合、
- C 疑問詞+カ・ヤラ
- D シランをつけるもの
- E 不定表現+ヨウダ・ソウダ・ハズダ(どふかぬしや見た様だ)
- F ハテを用いるもの
- 1 同型の場合、
- 特にカシラについて、村上(1981)以降の様相が明らかでないので詳述
- 疑問詞のある場合にシラン・カシラン、疑問詞のない場合はカシランのみ
- 化政期以降には文中用法が見られるようになる
雑記
- 7日坊主になりそう