ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

山本淳(2000.3)近世庄内地方の洒落本類における助詞サをめぐって

山本淳(2000.3)「近世庄内地方の洒落本類における助詞サをめぐって」『山形方言」32.

要点

  • 庄内郷土本(洒落本)4種を使用して、近世庄内の格助詞サ・エ・ニの用法を分析すると、以下の通り。

p.15

  • サは共通語のエに共通する要素を持ち、ニの領分に進出・拡大する過程を経ている。
    • 方向・場所については近世にすでにサの勢いが強い。
      • けふだて仲間ども大坂行(ゑ)くな(苦界船乗合咄)
    • 目的・結果については近世は主にニが担い、ここにサが進出したと考えられる。
    • 全体としてサが強い中でも、時・目的・結果にはニ、時・対象・結果にはエの例もある。

資料(メモ)

  • 洒落本(本論文ではこの4種を使用)
    • 温泉の垢(1798写、洒落本大成17)
    • 筬の千言(1812写、洒落本大成25)
    • ゆめあはせ(1821写、『山形方言』21に翻刻
    • 苦界船乗合咄(1867写、洒落本大成29)
  • 滑稽本
    • 温海土産(1857成、1870写、出羽方言研究叢書6)
  • 読本
    • 子之助夢ものがたり(1815成か、出羽方言研究叢書5、この後『山形方言』30に翻刻

雑記

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