高橋敬一(1991.3)「『宇治拾遺物語』における助動詞「むず」の用法」『活水日文』22.
要点
- 宇治拾遺物語におけるムズ・ムの異なり、
- ムズには終止形終止の例が少なく(しかも「~ようとする」の意に偏り、テムズ・ナムズのみである)、ムには多い。
- ムズには「確信のある推量」を表すムズラムの形が多いが、ムはそもそも他の助動詞を下接しない。
- ムズにはムズゾの例が多いが、ムには少ない。このことにより、ムズは「相手に対して、自己の意志をはっきりと表明する」助動詞であると考える。
- ムズにはムズレバの例があるが、ムにはない。
- ムズにはムズ+助詞の例がないが、ムにはある。
雑記
- テムズ川のいらすと(ない)