ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

磯部佳宏(2000.2)古代日本語の疑問表現(下):要判定疑問表現の場合

磯部佳宏(2000.2)「古代日本語の疑問表現(下):要判定疑問表現の場合」『山口大学文学会誌』50.

要点

  • 古代語の要判定疑問文についての、著者のこれまでの研究の整理。
  • 形式に以下のものがある。
  • 文中のヤにかかわるものとして、
    • a ―ヤ―。
    • b ―ヤ。
    • c ―ニヤ―。
    • d ―ニヤ。
    • e ―ヤハ―。
    • f ―ヤハ。
  • 文末のヤにかかわるものとして、
    • g ―ヤ。
    • h ―ヤハ。
    • i ヤ否ヤ。
  • 文末のカにかかわるものとして、
    • j ―カ。
    • k カハ。
  • その他、 p ―ヤラム。
  • 以下の事項が指摘できる。
    • cのニヤが、中古和文の使用に偏る。特にc,dを比較すると、平家・とはずではcが極端に少なくなる。
    • g「―ヤ。」が衰退し、j「―カ。」が「問い」の形式として一般化する。

雑記