井上優・黄麗華(1996.3)日本語と中国語の真偽疑問文
井上優・黄麗華(1996.3)「日本語と中国語の真偽疑問文」『国語学』184.
要点
- 日本語のPカ、中国語のP嗎による真偽疑問文の対照を行う。
- 以下の点は2者に共通する。
- どちらも、基本的には「文脈と対立しない仮説の真偽」を問題にする文である。
- 6-1は「緊張している」ことが想定可能、6-3は不可能。
- これに対して、否定辞がつくとどちらも、「文脈と対立する仮説をわりこませてその真偽を問題にする「誘導型真偽疑問文」」として機能し得る。
- (上の文脈で)「本当は緊張してない?」
- どちらも、基本的には「文脈と対立しない仮説の真偽」を問題にする文である。
- 以下の点は相違する。
- 日本語の場合、Pナイカが対立仮説のわりこみのための手段としてかなり広く使える。
- 中国語の場合「不P嗎」が「わりこみ」に使える文脈はかなり限られ、
- 例えば、例6の文脈では「不~嗎」「pでない」ことの真偽を問う疑問文(本当は緊張してるのではないか?)にしかならない。
- 肯定+否定形による正反疑問文がある程度その手段となる。
雑記
- 大量にもらったダイエットチップスが薄味で、マヨつけて食べたくなる