ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

小林美沙子(2010.3) 新方言として終助詞化した「し」の命令・禁止・勧誘表現について

小林美沙子(2010.3)「新方言として終助詞化した「し」の命令・禁止・勧誘表現について」『首都圏方言の研究』1-1

要点

  • 接続助詞シに由来する終助詞シに、「しろし」などの命令・禁止・勧誘が見られる

調査

  • 命令・依頼・禁止にはつかないとされているが、つく例がある
  • 首都圏の大学生への調査で、
  • 命令「立てし」「しろし」の場合、「聞いたことがあるが自分は使わない」が多く、
  • 首都圏の方が非首都圏よりも認知度が高い
  • 禁止「立つなし」「するなし」も命令と同様で、
  • 勧誘「立とうし」「しようし」は、「聞いたことがない」が最も多い
    • 使用されてるとは言い切れない面がある
  • これは、山梨県国中方言のシが流入したものだろうか

雑記

  • 学生ほぼ全員が「聞いたことがあるけど自分は使わない」で手を挙げるとき、いやじゃあ誰が使っとんねんって言っちゃいますよね